Tailor Yamashita 紳士服の山下 は、現在準備中です。
2022/12/10 13:17
こんにちは。
ジャケットを着ていて何気に袖口のボタンが気になる。。。
釦の数、釦の重ね…ん?
そもそも袖口の形?デザインが違うのがあるのではとついつい見入ってしまう時ありますよね。
そうなんです。ジャケットの袖口のデザインはいくつか存在するのです。
所説ありますが、スーツ起源の19世紀初頭は人前でジャケットを脱ぐという考えがなく、中に着るシャツ(ドレスシャツ)はインナー(肌着)と考えられており袖口は釦で開け閉め出来るように『本切羽(本開き)』で作られていたそうです。
釦ホールが開けられており釦を外すことにより腕まくりが出来るお仕立てとなっております。↓↓↓

開くと腕まくりが出来て、洗顔・他作業でジャケットの袖口汚れを回避する役割があったんですね。↓↓↓

現在はおしゃれポイントで一つ開けて着ている人が多いですよね↓↓↓

凝った作りで袖口のおしゃれポイントとして重要ですがデメリットとして袖丈詰めが難しいのが難点で肩で詰めるとなると相当な補正代金がかかってしまいます。
オーダーならばお好みの袖丈でお仕立てできるので本切羽(本開き)仕立てに気軽にできますね。
その後登場したのが『開き見せ』という袖口です。
既製品に対応するために飾りの釦ホール(穴無し)として飾りの袖口仕立てとなりました。釦穴が無いので袖丈補正が容易で見た目を損なうことなく誰でもピッタリの袖丈で着用出来るようになりました。
開く必要のない現在では最も合理的な仕立てで一見すると『本切羽』と見分けがつきませんね。↓↓↓

ほぼ見た目変わりませんね👀
そして更にミニマム化したのが『筒袖』仕様です。
袖口を筒に作り釦を付ける仕立てとなっており主にカジュアルジャケットで使われております↓↓↓

ジャケットの袖口だけでも奥深いですよね。。。
洋服の歴史って面白いですが気になると仕事が手につきません笑)